院長周辺雑記(38:2010年1月分)




(10/1/12火曜分)
夜は、白石市医師会学術講演会(於:パレスリゾート白石蔵王)を聴きに行く。 (株)仙台気道研究所(外部リンク) 代表:田村 弦 先生=柴崎内科小児科医院(仙台市)(外部リンク)の講演で、お題は『医者と患者のニーズを同時に満たす、新しい喘息治療』である。医者のニーズとは治療薬の効果持続時間が長く、長期管理に向いていること、患者のニーズとは治療薬の効果出現時間が早く、すぐに効果が実感できることである。この二つを一つの薬剤で実現したのが、明日13日に国内販売が開始される「シムビコート タービュヘイラー」である。ブデソニド(抗炎症作用を有する吸入ステロイド)とホルモテロールフマル酸塩水和物(作用発現が短時間作用型β2刺激薬と同程度に速やかで、かつ少なくとも12時間効果が持続する長時間作用性β2刺激薬)との吸入ドライパウダー合剤である。今までにも、吸入ドライパウダー合剤(吸入ステロイドとしてフルチカゾン、β2刺激薬としてサルメテロールキシナホ酸塩)では、「アドエア ディスカス」という製品が他社より販売されていた。フルチカゾンに対するブデソニドの優位性、サルメテロールに対するホルモテロールの優位性、吸入ドライパウダー合剤とした場合のシムビコートの優位性、吸入デバイスとしてのディスカスに対するタービュヘイラーの優位性が、有意差をもって示された。田村 弦 先生は、非常に分かりやすく明解に説明して下さり、有り難うございました。
明日からは、アドエア ディスカスからシムビコート タービュヘイラー(外部リンク)へ、切り替えですね。



(10/1/13水曜分)
早速、メディセオ(旧クラヤ三星堂)の服部さんに「シムビコート タービュヘイラー30吸入」を10本注文。当院独自の薬剤情報提供書も作成完了。



(10/1/14木曜分)
フクダ電子の今野さんと、「コアグチェック」の納入日時につき検討。1月28日の午後2時頃になる予定。メーカーの技術の人・試薬のシバタインテックの人も一緒に来てくれるそうだ。フクダ電子さんより、当院ホームページにフクダ電子より転載許可済みの医療機器画像データCDをいただく。医療機器のページを更新する予定にて。
メディセオの服部さんより、患者さま向け説明用資料と「シムビコート タービュヘイラー30吸入」10本納入さる。



(10/1/15金曜分)
新型インフルエンザワクチンの前倒し予防接種(65歳以上の高齢者)が始まった。1回接種で3600円(白石市よりの公費補助なし。1回接種で完了。)の価格であるが、新型インフルエンザワクチン接種希望予約患者さまからの価格クレームは一切なし。季節性インフルエンザ予防接種では、65歳以上の高齢者には、白石市の公費補助あり1回接種で1000円で受けられるのに。やはり自己予防に努めている高齢患者さまの健康管理意識は高いのであろう。
夕方、「シムビコート タービュヘイラー」の販売元であるアストラゼネカのMR目時さん(クレストール錠2.5mgをクラヤさんと組んで当院に1万錠以上〔700錠×15箱〕一気に納入させた剛腕女性)が、「何か説明用の資材いりませんか」と、念押しに来院し、ドライパウダーが残り少なくなった際の見分け方(要するに、パウダー残表示部の色が、全赤になったら取り替え時だとのこと)を御教示頂いた。これで「シムビコート タービュヘイラー」の出番は万全となったであろう。



(10/1/16土曜分)
午後から夕方まで、医療機器の定期メンテナンスがあった。東芝さんのレントゲンTV透視台と、コニカさんのレントゲンフィルム自動現像機である。1996年に開業してから、ずっと使い続け、たいした故障もなく13年以上働いてきてくれた機械である。開業当時はアナログ(銀塩フィルム)時代で、満足なデジタル機器はなかった。あっても病院レベルのもので、開業診療所にはとても手が余る高価なものであった。時代の変化は早いもので、フィルムレスのデジタルレントゲンTV透視台(4年前には定価9500万円)とフィルムレスのCRが、東芝とコニカで一式まとめると1300万?位で入るそうだ(先日のコニカミノルタ営業さんの話し)。
当院も、そろそろフィルムレスのデジタル時代に突入か。消化器内視鏡や超音波断層装置の方では、2年前に画像ファイリングシステムを導入し、すでにフィルムレスのデジタル時代となっていたのだが。



(10/1/28木曜分)
夕方5時過ぎに、後れ馳せながら、PT-INR値(外部リンク)の簡易(片手で持てる、小型軽量)・迅速(1分間で結果がでる)判定医療機器『コアグチェック』(外部リンク)が、フクダ電子さんより、納入された。血液凝固阻害剤の薬剤=『ワーフアリン』(外部リンク)投与中の心房細動患者さまのPT-INRが直ぐに分かるので、至適PT-INRからのずれにより、当日中に処方するべきワーフアリン投与量が推定でき、当日中に、処方の変更決定が自信をもって行える。
今までは、血液検体を院外の検査センターに昼頃に出すと、PT-INRの結果は早くてもFAXで夕方にしか届かない。このPT-INR結果を見て、患者さまに、『ワーフアリン』投与量の変更を、夜に電話で患者さまに指示するので、服薬のコンプライアンスの確実性が担保できない問題と、『ワーフアリン』が、一ヶ月後の次回の診察までに足りなくなる恐れ・『ワーフアリン』が、次回の一ヶ月後の診察までに余ってしまう恐れなどがあり、ドキドキものでもあった。



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