院長周辺雑記(29:2009年4月分)




(09/4/5日曜分)
Tuscan SケイマンS に初めて遭遇した件。(東北自動車道上り線村田PA付近北方で、日曜日の午後2時頃110km/h位で奥さんを助手席に乗せて走行車線を優雅に走行しているシルバーのポルシェケイマンSを、私は見逃さなかった。私はレフレックスパープルのTuscan Sを急加速して、 追い越し車線でプラス60km/hで追い越した。当初ケイマンS氏は気づいていないようなので、私は村田PAで一旦待機して、再び後方よりプラス60km/hで追い越した。生まれて初めて見るレフレックスパープル色に、さすがにケイマンS氏は気づかれ、白石インター出口で停車してご挨拶した。私はUターンして仙台に戻った。)



(09/4/11土曜分)
学会出張(第106回日本内科学会総会・講演会(外部リンク):東京国際フォーラム=会頭:東北大学 岡 芳知 先生)にて、白石を午前3時起きで旅行の用意して仙台に帰宅。7時過ぎの新幹線で仙台出ると、9時過ぎには学会参加登録し参加証No.09221を頂く。午前中はシンポジウム「循環器疾患のEBM」を聴く。後は企業展示会場を巡る。今年も、またエムエス・ラボ芝田雅行氏(元オフィス・モグ(赤羽事務所)(外部リンク))製の音楽療法用オーディオシステム(25LH3点セット=MSL・ORIGINAL4Box型2Wayスピーカーシステム2組+プリメインアンプ:フライングモール社デジタルプリメインアンプCA-S3(外部リンク)』+CDプレーヤー)を申し込んでしまった。これが、なかなかの優れ物なのである。スピーカーボックスの塗り色も、前回と同色のマホガニー淡色とした。他にはウェルチ・アレン・ジャパン(外部リンク)のブースでWelchallyn製品(検眼鏡パンオプティック耳鏡マクロビュー)(外部リンク)の実物体験が出来て良かった。今までは、ウェルチ・アレンの研修医用ポケットモデルを使っていたからだ。大きな学会でのメリットとして、企業展示で実際の製品を見て触れ比較できることがあると思う。メーカーのカタログパンフレットだけでは、使い心地も含めて、実物の性能を確かめることは出来ません。車だって、可能な限り、出来るだけ試乗した方が納得出来るでしょう。(Tuscan S・BMW Z4 M Roadsterは試乗車がなく、試乗せずに決めてしまいましたが、イメージどおりで正解でした。)



(09/4/14火曜分)
夜の、 白石市医師会学術講演会(パレスリゾート白石蔵王)『慢性腎臓病(CKD)(外部リンク)克服へのアプローチ〜CKDの早期診断と集学的治療〜』東北大学大学院医学系研究科 腎・高血圧・内分泌学分野 准教授:佐藤 博 先生には、体調管理にて出席かなわず。



(09/4/16木曜分)
夜は、木曜会が、いつもと趣向をかえて『ルガノ(外部リンク)』(白石市)で行われた。和食でなく、フレンチのコース。当番幹事の高橋昌宏先生(たかはし内科クリニック)が、刈田病院院長の高林俊文先生とともに、新しく刈田病院に赴任された堤栄克先生(えいかつ:内科系診療部内科部長)・堤和泉先生(いずみ:内科系診療部小児科科長)をお招きした。
Menuは、
海の幸サラダ
ルガノ風テリーヌ 帆立のショウフラワー ウニ添
コンソメスープ ロワイヤル
天然真鯛と貝柱のポワレ 柑橘ベアネーズソース
黒和牛ヒレステーキ マデラソース
デザート盛合わせ
コーヒー
パン
次回6月は、私が当番幹事。赴任されたが、まだお招きしていない先生方を、ぜひ、お招きするつもりである。副院長兼手術部長・麻酔科部長の長谷川淳一先生、外科系診療部産婦人科部長の奥村正幸先生、内科系診療部内科科長の池端史子先生のお三方である。



(09/4/18土曜分)
午後は、宮城県医師会 新型インフルエンザ研修会 演題 『新型インフルエンザに対する医療機関の対応』 講師 東北大学大学院医学系研究科微生物学分野 教授 押谷 仁 先生 があり、仙台国際センターのホール萩(400名収容可)に行ってきた。宮城県全域から多くの県医師会所属医師が集まり、満席となった。土曜午後3時30分から開演なので、時間的に参加しやすい会合で、多数が参加できて良かった。
押谷 仁 先生は、昨日東南アジア某国より帰国、明後日の20日には、東京で厚労省の第11回新型インフルエンザ専門家会議に委員として出席し、平成21年度にプレパンデミックワクチン1000万人規模の事前接種を行うべきかどうかの審議にも加わるとのこと、とても忙しい先生です。
講演後の質疑では、「パンデミックの際、医療機関側がどう動けばよいのか、感染情報はどこからどう降りてくるのか、国・県・保健所・市長村の指揮系統はどうなっているのか・・・・・等々、さっぱり明らかにされていないので、医療機関として困る。」との質問が多かった。押谷 仁 先生の答えでは、「現時点でも、まだ殆どのことが決まってない。たとえば蔓延期のガイドラインを決めたのは、大きい市(仙台市)ぐらいで、小さい市町村は悲観的状態。国を含めて行政の対応には困ったものである」とのように、とれました。
プレパンデミックワクチンとは、パンデミックが起きてからウイルスの型に合わせたワクチンを製造していたら早くても1年半はかかるので間に合わず、パンデミックが起きる前にウイルス型を推測想定して作っておくワクチンのことです。現在製造中のプレパンデミックワクチンは、ウイルスの型をH5N1と想定してつくられています。しかし、実際にパンデミックを起こすウイルス型はH5N1とは別の型になる可能性が高くなる(4/5近く)ことが、最近の鳥インフルエンザ流行のウイルス型動向より分かってきたそうです。H5N1とは別の型でパンデミックが起きた場合は、現在のプレパンデミックワクチンを接種していても、ワクチンとしては無効ということです。現在製造中のプレパンデミックワクチンでの6000人規模の治験では、副反応(有害事象)で3人が入院を要したそうです(しぼう例は、幸いに0だった)。1000万人に事前接種した場合は、副反応にて入院する人が1000万×3/6000=5000人は出る勘定です。無効かも知れないワクチン接種して、5000人も副反応で入院し、最悪の場合しぼう例が出るかも知れないとは、いかがなものかと思われますね。「プレパンデミックワクチンを早く国民全員に接種すべし」との意見の流れは、NHKを含めたマスコミが、プレパンデミックワクチン=パンデミックワクチンと誤解して、プレパンデミックワクチン接種の方向に世間をミスリードしているためです。
講演前に配布されたレジメに掲載された押谷仁先生の講演前説を、以下に転載させていただく。
『新型インフルエンザはほとんどの人が全く免疫をもたないために通常のインフルエンザに比べ大きな被害が生じる可能性がある。毎年のように冬に流行する通常のインフルエンザでも流行期には500万人から1000万人程度の罹患者と多い年では1〜3万人程度の死亡者がでていると推定されている。これに対して政府は日本で新型インフルエンザが起きた場合には、人口の25%すなわち3200万人が罹患し、17万人から64万人が死亡すると想定している。
このような新型インフルエンザによるパンでミックは近い将来必ず起こるものと考えられるが、それがいつ起こるかはわからない。罹患者数死亡者数といった被害の程度も、ウイルスの病原性や対策の成否によって大きく左右される。このように多くの不確定要素のある新型インフルエンザへの対策を考えるためには、極端に楽観的な見方や極端に悲観的な見方をすべきではなく、冷静に最大限の対策を実施できる準備を今からしておくべきである。
今から90年前に起きたスペインインフルエンザのパンデミックでは世界中で4000万人以上の人が死亡したと考えられている。しかし、90年前に比べると多くの対策が可能となっている。対策としてまず挙げられるのは、ワクチンと抗ウイルス薬がある。しかし、ワクチンや抗ウイルス薬も絶対的な切り札ではなくいろいろな問題も抱えている。
また地域での医療体制の整備も多くの課題を抱えている。想定されている患者数は現在の医療機関の持つ対応能力を超えていると考えられ、爆発的に増える患者に対し、いかに対応するかということは大きな課題である。医療機関に感染者と非感染者が殺到するような事態が起きると医療機関そのものが感染拡大の場になってしまう危険性もある。また新型インフルエンザ患者に対応するのと同時に慢性疾患や救急疾患への対応といった通常の医療を継続していく体制も構築する必要がある。』



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