院長周辺雑記(61:2011年12月分)




(11/12/18日曜分)
11月2日より始まった、当院南部の駐車場側の、東日本大震災の復旧・復興工事が殆ど完了した。当院南側用水路を暗渠化し、駐車場が南のカラオケ屋さんに隣接するまで広がり、21台+α駐車可能となった。
本日は、朝から夕までかけて、駐車場のアスファルト舗装工事が完成した。厚さ4〜5センチの古いアスファルト舗装を剥がし、新しいアスファルト舗装に打ち替えたので、放射能の除染も完了した。
12月18日時点では、宮城県は放射能汚染区域に指定されていないので、剥がした古いアスファルトは、普通の産業廃棄物として処理できるのである。福島県の指定地域では、剥がした古いアスファルトを一時置き場に保管したりして、管理が大変だろう。
駐車目安白線も引かれた。身障者さま用に2台分確保。出入り口となる東西両側(市道側とバイパス側)の門扉も交換され、スライド式のブロンズ色アルミ製一枚型門扉となり一新となった。少々の積雪でも、地表にレールがないので、開閉楽々である。
安藤建設様・森合建設造園様・サンダイ工業様・その他の皆々さま、大変ありがとうございました。



(11/12/20火曜分)
午後に、駐車場の放射能を測定してみた。天気は曇り。
測定機器は、9月21日水曜に入手していた、株式会社フジテックスpdf書類輸入(原発大国フランスSAPHYMO社製=製造元はドイツ)の3単位計測ガイガーカウンターminiTRACE βCSDFpdf書類である。通常のポータブルガイガーカウンター(5〜10万位)は、γ線計測だけで空中の放射線線量率を測定するだけだが、この3単位計測ガイガーカウンター(26万)は、γ線だけでなくα線・β線が測定可能なので、たとえば食品表面の放射能汚染も測定できる高機能となっている。食品中のベクレル/Kgは普通約一千万の測定器でないと測れないが、このカウンターは食品表面汚染ベクレル/平方Cm(Bq/平方p)が(コバルト60・セシウム137・アメリシウム241・ストロンチウム90・ウラン238・炭素14・クロル36に分けて)測定できるし、専用の容器(オプション)を使うと、食品中のベクレル/Kgの測定ができる(ただし約2時間を要す)機能がある。
参考:「miniTRACEβ取扱説明書(原本直訳)pdf書類
参考:「FUJITEXの3単位計測ガイガーカウンター簡易マニュアル・補足(日本語)pdf書類
このカウンターを使って、地面表面汚染を、セシウム137のBq/平方p値で測定してみた。ちなみに、2階室内の食卓テーブルでは0.05位である。仙台の自宅1階の食卓テーブルでは0.03位である。室内でもこの差が出るので、白石の汚染を改めて実感する。
当院駐車場の表面放射能汚染(セシウム137)平均値
駐車場のアスファルト舗装面 門柱周囲のコンクリート
2011年9月24日(土曜晴れ) アスファルト舗装打ち替え
0.8Bq/平方p位
1.2Bq/平方p位
2011年12月20日(火曜曇り) アスファルト舗装打ち替え
0.05Bq/平方p位
1.2Bq/平方p位

アスファルト舗装打ち替えの除染効果が良くわかる。

アスファルト舗装に使われる、原油からつくられる石油アスファルトは、日本産原油では量が少なく商業的に生産されておらず、タンカーによって中近東やメキシコ湾岸等の産油国から運ばれてきた原油が、製油所で原油タンクに受け入れられた後、精製工程を経て生産された外国産アスファルトに頼っている。(参照:JMAA 一般社団法人日本改質アスファルト協会=外部リンク)。外国産なので、東電福島原発事故での汚染とは無関係である。
今のところ白石市でのアスファルト舗装打ち替えは可能だが、福島県ではアスファルト舗装打ち替えは除染作業とみなされるので、剥がした廃アスファルトは密閉できる防水袋に入れて敷地内でまとめて保管し、人が4メートル以内に近づけないような処置を施さなければならないので、駐車場のアスファルト舗装打ち替えは事実上不可能である。宮城県仙南(白石市・丸森町・大河原町など)が、12月になって環境省に「汚染状況重点調査地域」に指定されたので、今後は白石市でも駐車場のアスファルト舗装打ち替えは事実上不可能となるであろう。




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